「会社をどうするか、そろそろ決めなければ——」。後継者が見つからず、廃業かM&A売却かで迷っている製造業オーナーの方も多いのではないでしょうか。
「売ること=負け」「廃業の方がシンプルでいい」。そんなふうに感じている方もいるかもしれません。しかし、実際には廃業の方がコストや手間がかかるケースが少なくありません。本記事では、製造業の会社売却の方法・流れ・価格相場を、廃業との比較を交えてわかりやすく解説します。
「M&Aは難しそう。廃業の方が楽では?」と思う方は少なくありません。しかし、廃業にはまとまったコストが発生します。M&A売却と比べてみましょう。
廃業を選ぶ場合、以下のコストが一般的に発生します。
| 費用項目 | 目安 |
|---|---|
| 従業員の解雇予告手当・退職金 | 従業員数・勤続年数によって数百万〜数千万円 |
| 機械・設備の撤去・処分費用 | 数十万〜数百万円 |
| 工場・建物の解体または原状回復 | 坪3〜7万円(建物規模による) |
| 在庫・仕掛品の処分損 | 業種・規模による |
| 借入金・リース債務の精算 | 残債額による |
これらを合計すると、中小製造業でも数千万円規模のコストが発生することがあります。さらに、廃業後は売却代金も入りません。
2024年の廃業企業による失業(正社員)は全業種合計で87,003人超にのぼり、2016年以降で最多となりました。
M&Aで製造業を売却する場合、売却代金を受け取りながら、従業員の雇用・技術・取引先を次の経営者に引き継ぐことができます。仲介会社への成功報酬(売却額によって異なるが目安として数%程度)はかかりますが、廃業コストと比べると手取りが大きくなるケースが多いです。
M&A売却が廃業より有利になりやすいケース:
「廃業を考えている」という段階でも、まずM&A売却の可能性を確認してみましょう。
また、工場や設備そのものの売却を検討している方は「工場売却の相場と流れを解説」も参考にしてください。
製造業の会社売却には、大きく分けて「株式譲渡」と「事業譲渡」の2つの方法があります。どちらを選ぶかで、手続き・税金・従業員への影響が変わります。
株式譲渡とは、オーナーが保有する会社の株式を買い手に譲渡する方法です。会社そのものを丸ごと引き渡すイメージです。
後継者不在で「会社をそのまま次の人に任せたい」というオーナーには、株式譲渡が選ばれるケースが多いです。
事業譲渡とは、会社の事業の一部または全部を、資産・契約・従業員ごと個別に買い手に売却する方法です。会社の器(法人格)は残ります。
なお、後継者への引き継ぎ(事業承継)について詳しくは「製造業の事業承継を徹底解説」もあわせてご覧ください。
| 状況 | おすすめの方法 |
|---|---|
| 会社全体を引き渡したい | 株式譲渡 |
| 従業員全員の雇用をそのまま守りたい | 株式譲渡 |
| 税負担を抑えたい(個人株主) | 株式譲渡 |
| 事業の一部だけを売りたい | 事業譲渡 |
| 不採算部門を切り離したい | 事業譲渡 |
| 会社に借入金・負債がある | 要相談(スキームによる) |
後継者不在で会社全体の将来を考えている中小製造業のオーナーには、株式譲渡が選ばれるケースが多いです。ただし、財務状況や買い手の希望によって最適な手法は変わるため、M&A仲介会社に相談するのが確実です。
製造業の売却は、一般的に以下の5つのステップで進みます。平均6〜12ヶ月、早い案件では3〜6ヶ月程度が目安です。
最初のステップは、自社がどのくらいの価格で売れそうかを把握することです。複数のM&A仲介会社に無料相談・無料査定を依頼しましょう。費用はかかりません。
相談先となるM&A仲介会社を選びます。製造業の実績が豊富な会社・担当者の専門性・費用体系の透明性を比較して選ぶことが重要です。秘密保持契約(NDA)を締結した上で、詳細な情報を共有します。
仲介会社が買い手候補を探し、条件に合う相手が見つかったらトップ面談(オーナー同士の対話)を行います。感触が合えば基本合意書を締結し、詳細の交渉に進みます。
この段階が最も時間のかかるフェーズで、平均3〜6ヶ月が目安です。
買い手が「本当に買っていいか」を確認するための調査(DD=デューデリジェンス)が行われます。財務・法務・ビジネスの各面から自社の実態が調査されます。
事前に財務諸表・税務申告書・契約書類などを整理しておくと、スムーズに進みます。
DD問題がなければ最終的な売買契約(株式譲渡契約書または事業譲渡契約書)を締結し、代金の決済・株式や資産の移転(クロージング)が完了します。
クロージング後に経営権が買い手に移ります。一定期間の引き継ぎ対応(数ヶ月〜1年)が伴うことが一般的です。
「うちの会社は売れるのか、売れるとしたらいくらか」——これはすべてのオーナーが気になる点です。
中小製造業のM&Aでは、年買法(ねんばいほう)が広く使われています。
年買法の計算式:
売却価格 = 時価純資産 + 営業利益 × 2〜5年分
例: 時価純資産1億円・営業利益2,000万円の製造会社の場合
ただしこれはあくまで目安です。技術力・取引先・従業員の質によって上下します。実際の査定は専門家にご相談ください。
以下の要素があると、売却価格が高く評価されやすくなります。
M&Aは「業績が悪化してから売る」のではなく、利益が出ているうちに動くのが高く売るコツです。
M&A交渉中は秘密保持が基本です。従業員・取引先への公表はクロージング(最終契約完了)後が一般的です。交渉中に情報が漏れると、従業員の離職や取引先の不安につながり、売却条件に悪影響を与えることがあります。
M&A仲介会社との間で秘密保持契約(NDA)を締結し、情報管理を徹底しましょう。
製造業の技術情報・設計図・製造ノウハウは、最も重要な「売却価値の源泉」です。DD(デューデリジェンス)の段階で買い手に開示する際は、必ずNDA締結後に行い、開示範囲を限定する旨を契約書に明記してもらいましょう。
売却後のオーナーの立ち位置は、主に以下の3パターンです。
| パターン | 内容 | 期間の目安 |
|---|---|---|
| 即時引退 | クロージング後すぐに退任 | 数ヶ月以内 |
| 顧問・相談役として継続 | 引き継ぎのサポートを行う | 1〜3年 |
| 経営継続(役員留任) | 買い手企業の傘下で続けて経営 | 要交渉 |
「売ったら何もすることがなくなる」という心配は不要です。引き継ぎ期間を設けることで、技術や取引先をスムーズに次世代に渡せます。
製造業の売却を成功させるには、製造業の実績が豊富な仲介会社を選ぶことが重要です。
目的別タグ: シナジー効果の高いM&Aで会社・事業を成長させたい
公式HP: https://www.kyodoh.ne.jp/
強み
製造業専門のアドバイザーが、企業価値算定からマッチング・DD・最終合意まで1人の担当者が一貫してサポートします。グループ会社の創業以来60年近くかけて築いた金融機関・会計事務所・弁護士とのネットワークを活かし、毎月5万件以上の企業にヒアリングを実施。同業種はもちろん、異業種との事業統合によるシナジーも実現しています。
着手金0円・月額報酬0円の完全成功報酬型。成約しない限り費用はかかりません(中間金は不成約時に全額返金)。
製造業の成約事例(一部)
| 業種 | 内容 |
|---|---|
| 金属製品製造 | M&Aで増収増益に成功(年商7億円→年商500億円の自動車部品製造会社とマッチング) |
| 自動車整備・ガソリンスタンド | 年商300億円のLPガス卸売業B社に譲渡、仕入れルート見直しで経費削減 |
| 水質改善装置製造 | 金属加工会社との異業種M&A→シナジーで新製品開発・売上拡大 |
料金体系(レーマン方式・税込)
| 株式譲渡・取得価格 | 報酬料率 |
|---|---|
| 5億円以下 | 5% |
| 5億円超〜10億円以下 | 4% |
| 10億円超〜50億円以下 | 3% |
| 50億円超〜100億円以下 | 2% |
| 100億円超 | 1% |
着手金:無料 / 月額報酬:無料 / 成功報酬:2,000万円〜
会社情報
目的別タグ: 後継者不足のためすぐに売却したい
公式HP: https://batonz.jp/
強み
累計案件数40,000件以上・登録者31万人以上のM&Aプラットフォームです。最短1週間、平均3ヶ月でのスピード成立が可能で、譲渡企業には平均18件の交渉依頼が届きます。製造業のM&A案件だけでも800件以上が掲載されており、300万円未満の小規模案件から1億円以上まで対応しています。
初めてのM&Aでも安心できるよう、専門スタッフによる無料サポートと、有料のプロコンサルタントによるサポートサービスも用意されています。
製造業の成約事例(一部)
| 業種 | 内容 |
|---|---|
| 制御盤製造・電気配線 | ロジックメイト有限会社→株式会社室住設計にM&A成立(60歳社長の想いに寄り添ったマッチング) |
| 自動車部品製造 | 尾崎鏡工業所→MARUJOUへ譲渡(後継者不在→会社存続・従業員雇用を守る) |
| 電子部品製造 | 株式会社ユニパーツ→株式会社ビーコンテクノロジーズ(「設計・開発ができる総合商社」を目指す) |
料金体系(無料プラットフォーム型)
| サービス | 費用 |
|---|---|
| 会員登録・売り案件登録 | 無料 |
| マッチング・交渉 | 無料 |
| 企業調査への対応 | 無料 |
| 最終契約の調整・締結 | 無料(有料サポートあり) |
会社情報
目的別タグ: グローバル戦略でのM&Aで海外市場に進出したい
公式HP: https://www.nihon-ma.co.jp/
強み
累計成約件数1万件超(2024年時点)の実績を持つ大手M&A仲介会社です。シンガポール・ベトナム・インドネシア・マレーシア・タイのASEAN主要国に現地拠点を持ち、クロスボーダーM&A(海外企業との取引)にも対応しています。
全国の地方銀行・信用金庫・会計事務所と提携しており、地方の製造業オーナーへのサポートも充実。M&A成立後のPMI(統合後の経営支援)も専門チームが担当するため、売却後の事業運営もスムーズに進みます。
製造業の成約事例(一部)
| 業種 | 内容 |
|---|---|
| 抜型製造 | たから抜型工業→大創にM&A(技術力とネットワークの融合によるシナジー効果に期待) |
| 製缶板金 | 吹田鉄工株式会社→坂海工業所(TOP面談から3ヶ月でスピード締結) |
| ECサイト関連 | A社→B社(ITを活用したプロセス革新で1年で生産性格段に向上) |
料金体系(レーマン方式)
| 時価総資産額 | 手数料率 |
|---|---|
| 5億円以下 | 5% |
| 5億円超〜10億円以下 | 4% |
| 10億円超〜50億円以下 | 3% |
| 50億円超 | 2%〜1% |
会社情報
製造業の会社売却は、決して「負け」ではありません。廃業と比べて、従業員の雇用・会社の技術・取引先を守りながら、オーナー自身も引退資金を確保できる可能性があります。
まずは無料相談から始めてみてください。「相談しただけで売らなければいけない」ということはありません。会社の価値を確認するだけでも、大きな気づきになります。
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